新たな発電技術で未来を創る

2024年1月26日 11:00 Vol.86
   
松下 祥子
東京工業大学准教授/株式会社elleThermo代表取締役
Sachiko Matsushita
東京大学工学部卒業。2000年、同大学院で博士号(工学)取得。半導体増感型熱利用発電の発明者。非平衡物理、電気化学、界面化学、無機材料を研究し、各分野で国際学会招待講演を行うなど知見も広い。JST SCORE事業、JST START事業を通じ、大学発の自身の技術を社会実装すべく、elleThermoを創業。理化学研究所にポストドクターとして在籍時、科学に関するアウトリーチ活動の一環で始めたブログが話題に。後に新書『科学者たちの奇妙な日常』(2008年/日本経済新聞出版)として出版される。1児の母として社会問題に強い関心を持つ。内閣府グリーンイノベーション戦略協議会、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員などを歴任。

はじめに

●我々のミッションとは

今回、公益財団法人吉田秀雄記念事業財団の研究広報誌『アド・スタディーズ』のエネルギー特集に関して、原稿依頼を頂戴した。人類の未来のために研究を行っている科学者として、大変光栄である。

資源エネルギー庁第6次エネルギー基本計画にあるように、2050年カーボンニュートラル実現に向け、温室効果ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野への取り組みは、世界的に喫緊の課題である。我々は、その取り組みの一環として、

・ 安全・安心で

・ 石油エネルギーに頼らない

・ 放射性廃棄物などが出ない

・ 狭い我が国の国土を有効利用できる

・ 安定して発電する

再生可能エネルギー変換技術を構築することをミッションに掲げている。

●熱エネルギーの重要性

再生可能エネルギー源としては、熱に注目している。国土が狭く急峻な島国である日本が、他国と比べて「優位性」のある再生可能エネルギーの一つが熱だ。特に、資源のない我が国が輸入してきた石油・石炭などの1次エネルギーは約6割が非電力、すなわちほぼ熱となっている(1)。そしてその熱を暖房・燃料としても活用できなかったことによる経済的損失は、年間約6兆円(2)といわれている(1次エネルギーの約3分の1を占める)。

また生活環境でのエネルギー量を比較すると(3)、熱は比較的大きなエネルギー密度を持つことがわかる[図表1]。機械の熱エネルギーは野外の光のエネルギーに相当し、人間の熱は室内の光よりも携帯電話の電波よりも強い。すなわち、熱で発電することができれば、それは経済的にも魅力的なソリューションとなる。

   

●熱で発電する既存の技術

熱で発電する既存の技術としては、地下およそ1,000~3,000mの200~300℃の熱(4)で、地下水を水蒸気に変えてタービンを回して発電する、地熱発電がある。だが貴重な水資源を使うため世界的には使いにくい技術といえ、我が国では温泉産業と競合しがちである。また、あらゆる半導体が熱で電荷を生み出す特性を用いて、温度差により電流を生み出すゼーベック型熱電は、温度差がないと発電が止まってしまう。このため例えば、熱源の中に埋めて使うことはできない。

なんとかして熱で直接発電させ、安全・安心な未来を創りたい。3.11の原発事故に恐れを抱いた2011年、筆者は強くそう思った。

 
 
 
 

半導体増感型熱利用発電の発明へ

●色素増感型太陽電池からの着想

ここで熱から少し離れ、色素増感型太陽電池という化学系太陽電池を紹介しよう。通称「グレッツェルセル」と呼ばれるこの湿式太陽電池(5)(6)は、1991 年にスイス連邦工科大学ローザンヌ校のグレッツェル教授等が提案したもので、赤や緑の色にもなる、インテリア性が高く薄く軽い太陽電池である。色素が付いている電極・対極・電解液の3つの部分から成るシンプルな構造で、小学生向けの科学実験などにも使われている。

この太陽電池では、光が入射することにより電極上の色素で電子が生まれる(この電子が生まれる現象を「励起」と呼ぶ)。励起電子は、色素が付着している電子輸送層へと移動し(この色素と電子輸送層の組み合わせが、一つの作用極になっている)、それから対極へと移動し、対極/電解液界面で電解質イオンを還元する。還元された電解質イオンは、色素に残った正孔(周囲は電子が詰まっているのに、そこだけ電子がない穴のような状態)で酸化される。このようにして励起電子が作用極、対極、電解質と回ることで電流が生まれるという、電解質溶液の酸化還元反応によって発電に至る。劣化しがちな有機色素の代わりに、無機材料である量子ドットを使用した量子ドット増感型太陽電池(7)なども報告されている。

この、色素の光励起電子を半導体の熱励起電子に置き換えた場合でも、同じように励起電子は作用極、対極、電解質と回っていくのだろうか。つまり、熱を当てれば発電するのではないだろうか。2015年、娘を寝かせつけている夜に、筆者の脳内にそんな考えがよぎった[図表2]。

   

●光生まれの電子と熱生まれの電子

色素と半導体のバンド構造や半導体の熱励起の解説は、株式会社elleThermo YouTubeチャンネル(8)に譲り、ここでは概念だけ記す。半導体は、光でも熱でも電子が生まれる。特に熱に関しては、絶対零度でなければ、半導体を構成する原子が熱振動して電子が生成される。その数は半導体によるが、例えばゲルマニウムは、80℃で室内光の光子数よりも多くの密度の電子が生まれる。

ゲルマニウムからほかの材料へ生成電子が移動するとき、光から生まれても熱から生まれても電子が通る道は同じである。もしここで、光生まれの電子では電解質イオンが酸化還元でき、熱生まれの電子では酸化還元できない、ということがあれば、電子が歴史を持つことになる。それはそれなりに魅力的な考えだが、筆者はそんなことはないだろうと考えた。

 
 
 
 

原理の証明

●熱励起電子による酸化還元反応の確認

そこでまず、本当に熱励起電子により、イオンの酸化還元反応が起こせるかを確認することとした(9)。調べてみると、光励起正孔で大腸菌を死滅させる光触媒として有名な酸化チタンに関して、熱励起でも強い分解効果があることが報告されていた(10)。

半導体増感型熱利用発電(STC / Sensitized Thermal Cell)用の半導体として最初に選んだのは、当時、熱電材料として注目されていたβ-FeSi₂だった。バンドギャップが0.7eVと200℃以下の熱を利用するのに適切な大きさで、レアメタルを使用しておらず材料コスト的に優位性があると考えられる。

電子輸送層としては、β-FeSi₂と発光デバイスとしての組み合わせでよく使用されているn-Siを選択した(11)。酸化還元される電解質イオンとしては、β-FeSi₂の価電子帯より酸化還元準位がややマイナスにある銅イオンを選択した。銅イオン伝導体としてはCUSICONと呼ばれる固体電解質を選択した。

結果、CUSICON内で銅イオン伝導が生じる600℃にて、STCの長期発電を確認した。CUSICON内のイオン移動度は非常に低く、放電後、酸化されたイオン、還元されたイオンは電極界面に残っていると考えられた。そこで、長期放電後の作用極と対極に接していたCUSICON界面をそれぞれ分析すると、作用極側で銅イオンの酸化が、対極側で銅イオンの還元が確認できた。すなわち、熱励起電子によりイオンの酸化還元反応が起こせることが確認でき、STCの最初の論文が2017年に報告された(9)。

その後、半導体にゲルマニウム、電解質として銅イオンを含んだ高分子を用いたSTCにおいて、銅の2価が茶色、銅の1価が白であることを利用し、放電前中後の色変化を追跡することで、半導体側の電解質の色が茶色く酸化していくこと、対極側の電解質の色が白く還元していくことも確認している(12)。

●光でも熱でも発電

熱励起電荷でも酸化と還元ができることがわかったところで、STCの原理を証明するには何をすればよいか。我々は、半導体増感型電池が、光でも熱でも発電することを示すことにした。最初に選定した材料は有機ペロブスカイト(CH3NH3PbI3)という、今では太陽電池材料として著名なものだった(13)。このCH3NH3PbI3を電荷生成層としたところ、光でも熱でも発電を確認することができた(14)。また同様な光・熱両方での発電は、硫化銀粒子を電荷生成層として用いても確認できた(15)。これらの結果から、我々が推察した「熱励起でも発電する」を示すことができた。

●光と熱の違い

一方で、光での発電と熱での発電には違いも見られた。

まず、熱での発電は「熱があっても等温に置いておくと発電が終了する」のだ。これは光があれば必ず発電する太陽電池では考えられない。

この光と熱の差は、どれだけたくさんの電子が平衡状態からずれて生成しているか、にある。そう、どちらかといえば「光があればずっと発電する」太陽電池のほうが不思議なのだ。

光励起すると、半導体内には通常よりも多くの電子が生成する。すなわち、平衡状態からずれたままなので、光が当たっている間、ずっと発電する(より詳細を学びたい方は「擬フェルミ準位」という単語を検索するとよい)。が、熱励起の場合は、その温度での平衡状態になれば、発電は終了する。これは「STCが永久機関ではない」の証明ではある。

人間にとっては、光で発電するか熱で発電するかは重要だ。

しかし電子にとって、何で生まれたかは重要ではない。電子の動きを決めるのは、電子の数である。

いわゆる半導体デバイスの基本となるpn接合型の太陽電池では、先述のように、たくさんの光励起電子により発電する。温度差により発電するゼーベック型熱電も、濃度分布が生成するほどに多量の電子があるから、発電するのだ。電子を統計量で表すことができ、波として扱う。

一方、色素増感型太陽電池とSTCは、反応電子と反応物質がそれぞれ1つでもあれば発電する。電子は粒として表される。

STCの登場は、これらのpn接合型太陽電池、色素増感型太陽電池、ゼーベック型熱電、そしてSTCの4つのエネルギー変換技術を「励起電荷の数」から俯瞰的に見ることを助け[図表3]、それぞれのエネルギー変換の相互理解をさらに深めていくだろう。

   

●熱で放電能力が回復する!

さてここからがSTCの面白いところだ。放電が終了したときにスイッチを切る。すると、対極では還元反応が起きなくなるので、放電が終了したときと状況が変わる。そのまましばらく置いておくと、放電しない状態での平衡状態に移行するので、再度放電が可能となる(16)。すなわち、熱源に埋めて、スイッチをオンオフすると、永続的に発電できるのだ。このためSTCは「石油価格に影響を与えうる」技術として、世界中でご報道いただいた(17)。が分厚すぎると起きない(18)。対極での還元反応の有無が電解質全体に影響を及ぼすような厚みのときだけ回復できるのだ。ちなみに、電解液の厚みが薄すぎる場合には、そもそも発電が起きない。薄すぎる場合、コンデンサのようになってしまい、イオンが電極/電解質表面から動かないためだと考えられる。この特性をうまく使うと、室温でも発電するデバイスができる(19)。

ちなみにこの回復現象は、電解液の厚み([図表4]I中に記載)

   

●永久機関?

さてここで、大変残念ながら、日本で多く受ける質問に答えよう。それは「一定温度で発電するということは、STCは永久機関なんじゃないの?」という質問である。ご自身も37℃あたりの化学反応で動いているのだが、そこには思い至らないようだ。

そもそも永久機関とは何か。それは、仕事をして生まれた熱で、また同じ量の仕事ができる、100%の熱変換効率を持つ機関だ。厄介なのがこの永久機関、原理的には否定されていない。もし100%の熱変換効率を持つエネルギー変換技術が生まれたのであれば、もしかしたらそれは永久機関なのかもしれない。筆者にはわからない。筆者にわかるのは、化学反応を必要とするSTCは熱を100%電力に変換することができないし(化学反応を起こすには、活性化エネルギーという名の溶媒の再配向エネルギーが必要。その分、変換効率が下がる)、そもそも平衡状態になると発電が終了するものは、永久機関ではない(永久には動いていない)。

なぜか日本では、熱と温度の概念が混同されがちだ。温度とは、熱という運動エネルギーの指標に過ぎない。この宇宙空間に放っておけば熱は逃げ、温度はどんどん下がっていく。温度を一定に保つには熱エネルギーが流入し続ける必要があるのだ。温度が一定なのは決して当たり前ではない。蛇足だが、このエネルギーの流れの考え方について、中国では高校3年生で受験内容として習うのだそうだ(当研究室の留学生談)。ことエネルギーに関しては、日本と中国の差が研究以前の教育レベルで大きいと感じている。

 
 
 
 

社会実装のために

●両面テープが劣化する

2015年にSTCを思いつき、2017年に最初の論文を出版し、2019年に回復現象についての論文を出版した。しかし、筆者が真の意味で「回復含め、STCの発電は本当に行えるのだ」と理解できたのは、2022年の2月だった。そこから、STCの最大の特徴である、回復現象の研究を行おうとした。

回復現象も含めたSTCの長期評価の場合、STCは恒温槽の中に1カ月以上入れっぱなしになることもある。最初に劣化するのが、電極を貼り合わせている両面カプトンテープ(両面にシリコーン系粘着剤を塗布した、電気絶縁性・耐熱性に優れたテープ)だった。

ここで、当時作製されていたSTCの構成について述べたい[図表5]。STCは主に、半導体材料である作用極、対極、電解液の3つで構成される。2022年当時メジャーに作製されていたシート型セルでは、両面カプトンテープに穴を開けて、そのカプトンテープを対極であるフッ素ドープ酸化スズ(FTO)透明電極に張り付け、テープの穴の中に電解液を滴下し、上から作用極で覆っていた。長期安定測定のためには、このカプトンテープを劣化しない材料に替えることが必要であった。

しかし、ここに問題があった。筆者が無機材料の准教授であることだ。接着剤は基本的に有機材料であり、筆者の所属で接着剤の研究を行うことは非常に困難であった。筆者は大学での研究に限界を感じてしまった。

   

●大学発スタートアップの創業へ

2021年度および2022年度に、筆者は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の社会還元加速プログラム(SCORE)事業ならびに同・大学発新産業創出プログラム(START)事業に採択いただいていた。この2つの事業はどちらも大学発の優れた技術シーズの社会実装を目指すものであった。本事業からのサポートを得て、2023年2月22日、筆者は株式会社elleThermo(エレサーモ)を創業。代表取締役に就任し、シードラウンドの調達を行い(20)(21)、学術領域の垣根を越えて電池製作に打ち込める環境を整えた。

なおelleThermoの名前は、熱で電気を生み出す会社として、エレクトロン(Electron:電子)とサーマル(Thermal:熱の)から着想を得た。elleの両サイドのeで作用極・対極の電子を、llで界面に隔たれた電解質を表し、弊社のコア技術であるSTC(半導体増感型熱利用発電)の酸化還元反応を示している。また環境問題・エネルギー問題の解決の先が、ただ困難なものではなく、エレガント(Elegant)で明るい未来にしたい、という決意も込めた。

大学教員と大学発スタートアップの代表取締役を兼任するために、筆者はさまざまなタスクをこなすこととなった。朝夜・休日全てを使っても、当初の想定の10分の1ほどしか電池製作に打ち込めてはいないが、接着剤・回路・法律など自由に研究が行えることは、世界のエネルギー問題の解決を目指す科学者として、大変有り難い立場だと感じている。

2023年8月には旭化成エレクトロニクスの昇圧DC/DCコンバータを用いた、恒温槽内の80℃の熱を使ったビーコン信号送信に関するプレスリリース(22)を行った。実は2019年にも三櫻工業からアスファルトの上に置いたSTCを用いてBluetooth通信ができたことを報告されており(19)、技術上新しい進展はなかったのだが、恒温槽の中からというのはインパクトがあった。

 
 
 
 

おわりに

筆者の持つミッショントライアングルを最後に示したい[図表6]。Missionとして掲げた「これからの『科学』の発展を担い、社会と共に活力ある未来を切り拓いていく」は、実は自身が所属する東京工業大学のMissionでもある(本学が合併後どうなるかわからないけれども)。そのMissionの上に、筆者独自のVision「人々が安心して使える電力供給システムを」を据えた。そのようなシステムであれば、実はSTC以外の発電技術でも構わないと筆者は思っている。が、今、筆者が本Visionのためにできることが、Valueに記した「STCの学術・技術の確立」である。学術をしっかり構築しなければ、世界で使ってもらえる技術にはならない。一方で、学術を構築するために、技術が必要であることは先述のとおりである。すなわち、研究室かスタートアップかは、筆者の中での戦略の位置づけに過ぎない(想像以上に代表取締役が大変だが)。

そしてそれぞれの戦略に対し、戦術がある。研究室としては、学会発表・学術論文出版だけではだめで、学会活動などを通じてアカデミアでのプレゼンス向上が必要だろう。一方、スタートアップとしては、できうる限り既存の技術を流用して、一刻も早く、まずはリチウムイオン電池などの継続放電できる2次電池への安定した充電を目指していく。

研究室側でも、スタートアップ側でも、我々は夢を一緒に形にしていく人材を求めている。直近で強く必要としているのは、学術の構築に向き合える学生・ポスドク、電池作製経験者、回路設計者、資本政策立案や補助金申請経験者、既にスタートアップを立ち上げ売却したことのある起業家等である(何しろ筆者が教員と代表取締役を兼任できるのは5年間だけなので)。ここまで読んでくださった読者の中で、この挑戦に興味を持ってくださる方がいるかもと願いながら、当研究室と共に弊社の Webアドレスを掲載して、本原稿を終えたい。

・東京工業大学 松下祥子研究室
http://sachiko.mat.mac.titech.ac.jp/
・株式会社elleThermo
https://ellethermo.studio.site/

   

〈註釈〉
(1) 資源エネルギー庁省エネルギー対策課. 熱の有効利用について; 平成27年4月17日. https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/pdf/012_03_00.pdf

(2) 資源エネルギー庁総務課戦略企画室. 令和3年度(2021年度)におけるエネルギー需給実績;令和5年4月. https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/pdf/honbun2021fykaku.pdf

(3) 株式会社英知継承. IoT電源(環境発電・ワイヤレス給電)の動向と種類・特徴; 2021.05.16. https://gijutsu-keisho.com/technical-commentary/electron-003/

(4) 国立研究開発法人産業技術総合研究所. 地熱発電とは?. In 産総研マガジン, 2023.7.19.

(5) Grobelny, A.; Shen, Z.; Eickemeyer, F. T.; Antariksa, N. F.;Zapotoczny, S.; Zakeeruddin, S. M.; Grätzel, M. A Molecularly Tailored Photosensitizer with an Efficiency of 13.2% for Dye-Sensitized Solar Cells. Adv. Mater. 2023, 35 (5), 2207785. DOI:10.1002/adma.202207785.

(6) Awai, F.; Sasaki, M.; Kinoshita, T.; Nakazaki, J.; Kubo, T.; Segawa,H. Energy-storable dye-sensitized solar cells with improved charge/discharge performance. Japanese Journal of Applied Physics 2023, 62 (4), 044001. DOI: 10.35848/1347-4065/acc826.

(7) Sahu, A.; Garg, A.; Dixit, A. A review on quantum dot sensitized solar cells: Past, present and future towards carrier multiplication with a possibility for higher efficiency. Solar Energy 2020, 203, 210-239. DOI: https://doi.org/10.1016/j.solener.2020.04.044.

(8) elleThermo, Ltd. 2023. https://www.youtube.com/@elleThermo

(9) Matsushita, S.; Tsuruoka, A.; Kobayashi, E.; Isobe, T.; Nakajima, A.Redox reactions by thermally excited charge carriers: towards sensitized thermal cells. Mater. Horiz. 2017, 4, 649–656, DOI:10.1039/C7MH00108H.

(10) Mizuguchi, J.; Shinbara, T. Disposal of used optical disks utilizing thermally-excited holes in titanium dioxide at high temperatures: A complete decomposition of polycarbonate. J.Appl. Phys. 2004, 96 (6), 3514-3519. DOI: 10.1063/1.1784553.

(11) Lefki, K.; Muret, P.; Cherief, N.; Cinti, R. C. Optical and electrical characterization of β-FeSi₂ epitaxial thin films on silicon substrates.J. Appl. Phys. 1991, 69 (1), 352-357. DOI: 10.1063/1.347720.

(12) Hida, Y.; Isobe, T.; Nakajima, A.; Matsushita, S. In-situ observation of redox reactions in Ge-sensitised thermal cells. Bull. Chem.Soc. Jpn. 2022, 95 (5), 813-818. DOI: 10.1246/bcsj.20220061(acccessed 2022/05/03).

(13) Kojima, A.; Teshima, K.; Shirai, Y.; Miyasaka, T. Organometal Halide Perovskites as Visible-Light Sensitizers for Photovoltaic Cells. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131 (17), 6050-6051. DOI:10.1021/ja809598r.

(14) Matsushita, S.; Sugawara, S.; Isobe, T.; Nakajima, A. Temperature Dependence of a Perovskite-Sensitized Solar Cell: A Sensitized “Thermal” Cell. ACS Appl. Energy Mater. 2019, 2 (1), 13-18. DOI:10.1021/acsaem.8b01522.

(15) Inagawa, Y.; Isobe, T.; Nakajima, A.; Matsushita, S. Ag₂SSensitized Thermal Cell. J. Phys. Chem. C 2019, 123 (19), 12135-12141. DOI: 10.1021/acs.jpcc.9b01922.

(16) Matsushita, S.; Araki, T.; Mei, B.; Sugawara, S.; Inagawa, Y.;Nishiyama, J.; Isobe, T.; Nakajima, A. A sensitized thermal cell recovered using heat. J. Mater. Chem. A 2019, 7, 18249-18256,DOI: 10.1039/C9TA04060A.

(17) Boyd, J. A Novel Thermal Battery Promises Green Power Around the Clock. IEEE Spectrum, 29 July, 2019. https://spectrum.ieee.org/energywise/energy/renewables/a-novel-thermal-batterypromises-clean-sustainable-power-day-or-night

(18) Kohata, H.; Mei, B.; Wang, Y.; Mizukoshi, K.; Isobe, T.; Nakajima,A.; Matsushita, S. Electrolyte Thickness Dependence up on Ge-Sensitized Thermal Cells. Energy & Fuels 2022, 36

 (19), 11619–11626. DOI: 10.1021/acs.energyfuels.2c01113.
(19) Kohata, H.; Obinata, M.; Ikeda, T.; Sekiya, H.; Mei, B.; Wang, Y.;Mizukoshi, K.; Isobe, T.; Nakajima, A.; Matsushita, S. Power Generation at Room Temperature -How to Design of the Sensitized Thermal Cell-. Research Square 2021, 384614. DOI:10.21203/rs.3.rs-384614/v5.

(20) 株式会社elleThermo. 株式会社elleThermoが、未利用排熱で電力を生み出すシステムの社会実装を目指し、5,000万円を調達. PR Times: 2023年4月14日.

(21) 株式会社elleThermo. 未利用熱による発電を目指す東工大発スタートアップelleThermo(エレサーモ)、Sony Innovation Fundを引受先とした資金調達を実施. PR Times: 2023年11月14日.

(22) 株式会社elleThermo. 東工大発ベンチャーのelleThermoと旭化成エレクトロニクスが、90℃以下の熱を活用した各種デバイス稼働の実証実験を実施. PR Times: 2023年8月10日.

東京工業大学 松下祥子研究室